(1)百万塔陀羅尼 1基 (武蔵高等学校民族文化部蔵)
764年追福修善のために奈良諸大寺に十万づつ納められたたといわれている百万基の木製小形塔。現在は法隆寺に
百余基を保存されている。この中に陀羅尼経が納められていて、これは現存する世界最古の印刷物といわれているが、
陀羅尼経は中に残されていなかった。
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(2)福州東禅寺版放光般若経断片 北宋版 (個人蔵)
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(3)春秋経傳 24冊 宋版 (図書館蔵)
表紙は後代のもので茶色、外題なく、全体的に裏打ち補修がなされている。大きさは29センチ × 18センチ、
有郭20.2センチ × 13.5センチ、有界、左右双辺、9行17字、注字双行、版心「内容別、丁数」、白口、
丁付は各内容別。版心にある「三九八、唐林」は字数と刻工名をあらわす、当時はこの記録により給金が支払われ
ていた。
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(4)春秋四傳 38巻 享保9刊 14冊 参考
江戸時代に日本で出版されたもの。上記の春秋経傳を元にしたいはば復刻版、上記の宋版に字体、字数がそっくり
同じある。
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(5)尚書 漢・孔安国伝 6巻(欠七−一三巻) 2冊 (古活字版) 慶長年刊
古活字版之研究(川瀬一馬著)の第一種本。活字は朝鮮銅活字をもとにした活字であるところから慶長年間前半に
出版されたもの。竹添光鴻の手校本。印記:鈴鹿氏、吉田神社社司中臣隆啓朝臣之章、錦所精盧、竹添光鴻之印、
井々竹添氏之図章、井々居士珍賞子孫永保
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(6)春秋経傳集解 晋・杜預注 30巻 15冊(古活字版) 慶長6〜10年頃刊
(図書館蔵) 版は『古活字版之研究(川瀬一馬著)』のロ種本(徳富蘇峰旧蔵の成簀堂文庫版) と校合したところ、
同版の新発見の異植版と判明した。竹添光鴻の『左氏会箋』の元になった手校本の一つと考えられ、金沢文庫
旧鈔巻子本、唐開石経、宋の興国軍本、江公亮本等の校勘書入(島田翰による)ある。印記:有馬氏溯源堂図
書記、井々居士珍賞子孫永保 |
(7)和漢朗詠集 2冊(桐箱入り) 室町末写 (図書館蔵)
綴葉装、表紙は紺と褐色の石畳文の布表紙で外題はない。大きさは21 × 17センチ、字面の高さ 18センチ
前後、一面5行10字前後、上巻87丁、下巻95丁。詩歌の作者名はない。上下巻末に書写者と思われる花押
があるが、詳細は不明。古筆勘兵衛の極札あり、これには「鷲尾殿」 (鷲尾隆尚 1566〜1606)となっ
ている。 |
(8)鎌倉、室町時代刊本 4種 断片(個人蔵)
比丘明殊願経(鎌倉)、沙門性悪願経(応永17刊)、法華経菩提品 第70(室町)、成仏経 (高野版) |
(9)古今和歌集 20巻 2冊 慶長末頃写本 (図書館蔵)
二十一代集 46冊の写本の一部。上冊81丁、下冊85丁、巻末に紀貫之の「古今和歌集 序」 (4丁)があり、
続いて貞応2年の定家の奥書、天応元年の書写と校合「観応2年10月3日 書写年 頓阿」とされているところ
から、貞応2年定家本、頓阿の系統に属するものと考えられる。 |
(10)新古今和歌集 20巻 2冊 慶長末頃写本 (図書館蔵)
二十一代集 46冊の写本の一部。上冊153丁、下冊139丁、冒頭に真名序があり、 仮名序(題字なし)が続く、
巻末には新古今和歌集隠岐御選抄本御跋文(題字なし、すぐ序ではじまる)がある。 |
(11)伊勢物語 1冊 江戸中期頃写本 (図書館蔵)
袋綴、表紙は紺色で題簽剥落の後に「伊勢物語」と朱書きされている。大きさは25 × 18センチ、字面の 高さ
19センチ、一面8ないし9行18字前後。墨付87丁、鳥の子紙、奥書4種(4丁)、定家天福本の奥書が書写さ
れている。また書写したとおもわれるものの識語がある。天福本を正本として、書写校合した ものとみられる。
印記:邨岡良弼 |
(12)平家物語 20巻 21冊 江戸中期頃写本 (図書館蔵)
長門本平家物語の系統に属するもの。袋綴り深緑色の紙表紙で題簽「平家物語」と墨書されている。 大きさは28
× 20センチ、字面の高さ21センチ前後で一面11行18字前後、巻首に目録一冊を付す。巻末に「灌頂巻」が
ある。印記:松平氏蔵書記(松平斎典 1797〜1849 川越藩主) |
(13)狭衣物語 4巻 10冊、狭衣目録並年序 釈切臨 1冊、狭衣下紐 里村紹巴 4巻 4冊
江戸中期頃写本(図書館蔵) 塗り箱には金で「さころ毛」と書かれている。綴葉装、金泥で草花をあしらった紙表紙。
題簽はそれぞれ「佐古路毛」「さこ路も」「左古路毛」となっている。大きさは24 × 13センチ、字面の高さ19
センチ、一面10行20字前後。鳥の子紙、寄合書。目録並年序は14丁で、途中より三条西実隆の 「狭衣系図」20
丁がはいっている。また下紐は序は書写されているが、奥書等はない。巻一は53丁、巻二は25丁、巻三は28丁、
巻四は18丁。 |
(14)こわたきつね 2冊 (御伽草子) 江戸初期頃刊 (図書館蔵)
参考活字本 日本古典文学大系 御伽草子 (岩波書店) 題簽は平仮名。奈良絵の伝統をひく絵入り横版本。上下巻
とも巻首の一面が欠けている。 |
(15)航米日録 8冊 玉虫左大夫 (写本)(図書館蔵)
元本学の教授玉虫文一(玉虫左大夫の令孫にあたる)氏より寄贈されたもの、内容の詳細な研究はまだなされていない。
7冊の写本を所蔵するところは多いが、8冊本の所蔵館は少ない。
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(16)宝貨古金真図録 5枚(初編複) 宝貨古銀真図録 2枚 (図書館蔵)
金貨の一枚もの色刷り図譜(八ッ折り)。古金真図録、古銀真図録ともに全編そろっているものは少ない。勝海舟の旧蔵。
印記:勝安芳(勝海舟の研究家によると、この蔵書印は明治3年以降使用したとされる。) |
(17)判金位早見 1枚 (図書館蔵)
一枚もの(八ッ折り)。保字小判(天保小判金)と正字(安政小判金)のメキシコ銀にたいする交換率表で、 江戸後期の
外国金銀取引の早見表。勝海舟の旧蔵。印記:勝安芳
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(18)武蔵国図 8舗のうちの、豊島、荏原、葛飾 (正保図写本) (H130 × W130 センチ)
(図書館蔵)武蔵国絵図には正保、元禄、天保図の3種があるが、石高を「武蔵田園簿」で照合した 結果一致したので、
正保図写本(明暦年中完成)と判明した。全八帖が揃っている。ここには神田上水が記入されている。
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